コモンセンスペアレンティング【見せて話す・結果】その2

何でも口にいれる小さい子ども

見せて話す

-見せて話すとは-

 コモンセンスペアレンティングの中で、この『見せて話す』というスキルが
 関わりの『基本』となります。

『見せて話す』とは、行動を具現化して言葉で伝える事を言います。
 
例えば…
 親「ねぇ○○ちゃん(くん)そのおもちゃ片付けてくれる?」
 子「えーーー!?嫌だーーーー!(おもちゃを投げ捨てる)」
 親「あ!今○○ちゃん(くん)嫌だって言っておもちゃなげたよ!」

 このように、本人の行動を言語化してそのまま伝えます。
 この『見せて話す』を行う事で、行動を起こした本人が
 自分の意志で行動を改める動機付けにもなります。

 この『見せて話す』は、「~しちゃだめ」「なんでそんなことするの」
 という、否定的な言葉を使わなくても良くなります。

-前向きな躾(しつけ)-

先ほど、否定的な言葉を使わなくても良くなる…と言いましたが、
 具体的な考え方があります。
 それは、『TIME』という頭文字です。
 『TIME』はそれぞれ躾にとって重要な要素となっています。
 
【前向きな躾】
  (ティーチ)    教える

  (インストラクト) 示し練習する

  (モニター)    観察する

  エンカレッジ  励ます
この『TIME』という躾の要素は、子どもと一緒の『TIME(時)』を過ごす
 という意味で覚えると良いかもしれませんね♪

躾に大切なスキル

躾には、4つの要素の他にも大切な事があります。
 それは、『日常的に子どもを観察し聴く』ということです。
 
 幼い子どもは、言葉が豊富ではありません。

 1歳 =10語
 2歳 =300語
 3歳 =1000語
 4歳 =1500語
 5歳 =2000語
 6歳 =2500語 

 と言われています。
 そのため、伝えたい事を理解するために、
 私たちはいろいろな方法を使う必要があります。
 それは、『聞く』ではなく『聴く』ことです。
 子どもの『』の声に耳を澄まし、聴いてあげてください。
 そして、それを『』だけではなく、『身体』で表現してあげてください。
 そうする事で、子どもは安心してスキルを学ぼうとします。

良い時間の選択

 良い躾をするには、『大人』も『子ども』も共に、
 『』が良い状況の時に行う事が、効果的と言えます。
 例えば、子どもが落ち着いていて、調子の良い時
 おやつの時間だったり、運動をしてスッキリしている時だったり。
 そのような時間を選択して、『会話』を増やしていきましょう♪
 また、コミュニケーションをとる上で、
 向き合って話すことも大切な要素です。
 離れた場所や違った部屋からの話し合いはやめましょう。
 そして、目線をあわせる事も大切です。

会話をする上でのポイント

 ●子どもの名前やニックネームを使う
 ●向き合って話す
 ●環境を整える
 ●子どもに合わせる
 ●簡単な言葉で端的に
 ●親のしぐさに注意する
 ●脱線しない
 ●言い争いの悪循環を避ける
 否定的な言葉を言い直す

明確なコミュニケーションのポイント

 ●良いお手本になる
 ●具体的にわかりやすく
 ●一貫性をもつ
 ●するべき事を話す
 ●理由をつける


見せて話す

 子どもの好ましいコミュニケーションの第一歩は、
 子どもの行動をいかに表現するかを学ぶことです。
 そうする事で、子どもの良い行動を褒める事ができます。
 そして、やめてほしい行動も正すことができます。
  『行動は、子どもの言った事や行った事です。それは目に見え、
   また、測る事ができます。』
 親の仕事は、子どもの行動に注意を払って観察し、
 『見せて話す』のスキルを用いて、子どもに学んでほしいスキルを教える事です。
 『前向きな躾』には、TIME(時間)がかかります。
 教える、導き練習する、観察する、勇気づけるを覚えておいてください。
 
あひるちゃん進む

行動を変える『結果』

-結果とは-

 行動に連動して起こる出来事であり、その行動が再び起きるかどうかに影響する。
 また『結果』とは、自然に起きることもあれば、意図して起こせることもあります。
 自然な例としては、『屋外での日焼け』などがあります。
 意図するものは、子どもが不適切な行動をしたとき、訂正するために用いるものです。

 『結果』には2種類あり、『良い結果』と『悪い結果』があります。
 子どもと一緒に『本』を読んだり、遊んだりすることは『良い結果』となり、
 良い行動を増やす効果があります。
 また、『良い結果』というのは、子どもが望むものであり
 それを得るために自ら行動を増やしていきます。
 『悪い結果』は逆に、行動を減らすものです。
 それは、子どもが望まない行動の事を言います。
 『特権を失う』や『謝る』などがあります。
 そうする事で、子どもは悪い結果を避け、期待される事を進んで行うようになります。

結果を用いる

 結果は子どもにとって重要であり、また『育み』の行動を強化するものでもあります。
 そして、子どもの観察を行う事で、子どもの好むものに気付き
 それを『結果』として活用することもできます。
 そして、『期待値』を大切に子どもの成長に合わせて使う事が重要です。

結果を用いるポイント

 ●即時性があるか
 ●サイズが適切であるか
 ●関連性があるか
 ●発達段階に合っているか

結果の種類

 【良い結果】
  ●ほめる
  ●スキンシップ
  ●サイン/シール
  ●活動(楽しい遊び)
  ●おやつ
  ●所有物(飾り/玩具)

 【悪い結果】
  ●方向変え
  ●やり直す(教えなおす)
  ●元に戻す(原状回復)
  ●タイムアウト
  ●特権が減る

 上記の『結果』は上から下に向かうにつれ、サイズの大きい『結果』となります。
 行動のサイズとマッチする『結果』を使う事で効果的に行動を意図する事ができます。

まとめ

 子どもに『結果』を用いるときのポイントは以下の通りです。
  ・子どもの行動が『適切』か『不適切』か?
  ・『適切』→『良い結果』
  ・『不適切』→『悪い結果』
  ・子どもの行動に関連のある『結果』であること
  ・子どもの役に立つ『結果』であること

 『結果』を用いるときは、あなたの行動に注意しましょう。
 大人の気分で結果を変えてしまうことは控えて下さい。
 そうする事で、子どもは何が『適切』で何が『不適切
 であるか混乱してしまいます。

 『結果』は子どもの行動を変えるのに役立つ『方法』の1つです。
 できるだけ、『良い結果』をたくさん使えるようになることで
 日常の子育てが豊かなものになってきます。
 子育ては『楽しむ』ものであり、またその『楽しみ』を共感し共有するものです。
 
 もし『子育て』で悩んだ時は、またここに戻ってきてください。
 落ち着いて、論理的に行動を選択することによって、子どもたちも
 安心して行動を選択できるようになります。





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